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2017/08/17

MWLUG 2017

お盆休みも過ぎ、仕事に戻ってそろそろエンジンがかかってきたという方も多いと思います。ちょうど夏期休暇に入ろうとしている期間に、米国では「MWLUG 2017」という IBM ICS のコミュニティーイベントが開催されました。
http://mwlug.com/mwlug/mwlug2017.nsf/home.xsp

ミッドウエスト(米国中西部)のロータスユーザーグループの頭文字をとった名称で、毎年恒例となっているこのイベントです。
ワールドワイドのイベントでは、ヨーロッパの Engage.ug と肩を並べる一大イベントです。

余談ですが、私の所属する会社の本国もこれまで長年に渡り Lotusphere/IBM Connect とブース出展や講演などスポンサーとして関わってきましたが、近年の IBM イベントではコンセプトやターゲットとするオーディエンスが著しく変化してしまったため、他の Notes/Domino 関連のビジネスパートナーも含め、マーケティング投資を Engage や MWLUG ようなコミュニティイベントへと移行する会社が多いと聞いています。来年開催予定の IBM の統一イベント IBM Think への関心は全くと言って良いほど無いようです。

話を MWLUG 2017 に戻しますが、ワシントン D.C. の郊外、バージニア州のアレクサンドリで 8 月 8 日から 10 日 3 日間に渡り開催されました。セッション数も 50 に迫る規模になっています。すべてが ICS に関連しているセッションなので、よほど IBM Connect よりも濃い内容であったことは容易に想像できます。
今、Notes/Domino を含む ICS のコミュニティで何がトレンドなのかを知りたければ一度セッションのタイトルと概要だけでも一瞥すべきだと思います。
http://mwlug.com/mwlug/mwlug2017.nsf/sessions.xsp

何名かの講師からスライドが個人的にアップされていますが、まだすべてが公開されるかどうかは不明です。全体で公開されるのを期待したいところです。

基調講演については、チームスタジオのFacebookでビデオ撮りしていたようなので、時間があればご覧下さい。
https://www.facebook.com/TeamstudioInc/videos/1953414141339224/

面白いトピックとしてひとつ。
現在、Notes/Domino 9.0.1 に機能拡張を含む Feature Pack をロードマップにあげ、これを継続していくというリリース・ポリシーを採用しています。つまり Notes/Domino のリリースは 9.0.1 の固定のまま、短いサイクルで機能拡張版を保守契約しているユーザーに対してのみリリースしていくというものです。今回のアナウンスには、この Feature Pack 形態を変えて、元のリリース形態に戻すことを検討し始めているというもの。
9.5 もしくは 10 などのメジャーリリース方式に戻すというディスカッションを始めているとの言及が IBM からありました。実際問題、日本でもそうですが、ライセンス販売やそれに関連するサービスビジネスはビジネスパートナーにとっては大きな収入源、モチベーションとなっていたのですが、Feature Pack 方式に変更されてからそのメリットが享受できないため、どんどんビジネスパートナーが IBM から離れていることが肌で感じられます。
本当に元のリリース形態に戻るのか、ビジネスパートナーがそれで戻ってくるのか、ユーザー企業はそれをどう捉えるのかなど注視したいと思います。



2017/07/11

9月19日に ICS イベント開催か?

過日、IBM からのメールマガジンで ICS イベント (例年の IBM Connect Japan)の開催を匂わせる記述がありました。
現在、今年後半の企画などを準備しておりますが、とりあえず、 
9月19日(火)は、Notes/Domino な皆様は、スケジュールをブロック 
しておいていただけるといいなぁ、と思っております。 
東京以外の方は、これにからめた出張のご予定などを、是非。
- IBM Collaboration News (Lotus Mail Magazine) 2017年7月6日号より抜粋


東京での 1 Day イベントとなる模様です。
みなさんも是非早めの予定を。また詳細が分かり次第お伝えしたいと思います。


2017/05/10

IBM が開発者向けの Domino サーバーを無償化か?

過日行われたコミュニティ・イベント「Engage」で IBM が今年第3四半期に開発者向けの特別な Domino サーバーのエンタイトルメントをリリースする旨の発表がありました。
具体的な内容はまだ明かされていない模様ですが、開発で利用する目的のみで本番サーバーとしては使用してはいけないことや、最新の Feature Pack 適用(適用にはソフトウェアサポート&サブスクリプションの契約が必要)を条件に、開発用の Domino サーバーのライセンスが付与されるものと思われます。

個人的な見解としては、 XPages などの Web アプリ開発でローカルの HTTP によるプリビューでは必要となるライブラリーがロードされなかったり、デバッグ機能が使えなかったりと、しっかりとした開発を行うには Domino サーバーが不可欠です。このデバッグにおいても、開発サーバーを持たない開発者が本番サーバーにデバッグ機能を有効にすることで、セキュリティ上の問題が発生させてしまうなど、開発用のサーバーなしでは開発できないといっても過言ではありません。
今回のこのエンタイトルメントでは、Notes/Domino のより開発コミュニティへの積極的な働きかけと、これからのアプリケーション・モダナイゼーションには欠かせないピットフォールを埋める形になるのではないでしょうか。

IBM がグローバルイベントを集約。IBM Think というイベントを来年3月に開催。IBM Connect も吸収。

2018 年のコラボレーション・ソリューションのイベントは「IBM Think」というイベントに統合されることが発表されました。IBM を代表するその他のイベント、World of Watson、InterConnect などの重要なイベントを集約した形で、IBM の最大のイベントとなるはずの IBM Think 2018 が来年の 3 月 19 日から 22 日まで、米国ラスベガスで行うと発表されました。
https://www.ibm.com/events/think/

このイベントに先立って、「IBM Think Jam」というカンファレンスに対する要望やブレーンストミングするインタラクティブなイベントが今年6月20日から22日で行われます。このJamセッションへの参加登録は 5 月 30 日から。上記のイベントサイトへメールアドレスを登録すると登録が開始されたときにお知らせが来るようになっています。
コラボレーション・ソリューションのトップ Inhi Suh からのメッセージはこちらです。
https://www.ibm.com/blogs/social-business/2017/05/08/get-ready-think-2018/

2017/02/27

ドミノアプリケーション開発の未来

IBM Connect 2017 のノーツアプリ開発のロードマップが説明されるはずの「Refresh and Extend your Domino apps」セッションで語られた内容を読み解いています。読み解いている理由は、「はい、こんな感じになります」というにはあまりにも突拍子もなくわかりづらかったからです。このセッションはこれからの私たちの Domino アプリケーション開発の指針となるに違いありません。このセッションで発表されたことは、できる限り忠実にそのままお伝えするとして、今回の発表をどう受け止めればよいかも伝えなければならないと思いました。

モダナイゼーションへのパスをパートナー製品に求める

Connect に出向く前からこのセッションは気になっていました。モダナイゼーションのための機能追加に何か発表があるのか?あるとすればそれは何だろう。実際には、モダナイゼーションにこんな機能を追加しましたとかする予定だという発表の期待は裏切られ、Business Partner が作った製品を推すような体裁のセッションでした。IBM は Business Partner と協業(Partnership)という形をとり、IBM 自身の自らの責任と役目を放棄した格好です。
スライドのあるページには、まずは 1) どのアプリがビジネスにとって価値があるのかを分析し整理し棚卸しをしなさい。ビジネス上でクリティカルな少数のアプリはモダナイズをしましょう。その方法とは 2) 拡張する予定の API を使用したり、パートナー製品を利用して Domino アプリをモダナイズしましょうというものです。アプリの分析には panagenda 社の ApplicationInsights (2017 年2Q にIBM ソフトウェア・サブスクリプション&サポート契約していくお客様に提供開始)、モダナイズには  IBM が Directory service、Contacts service、Mail serch service、などの新しい REST API を追加/拡張していきながら、これらの API に対応した OpenAPI 仕様の Swagger というツールを使って Domino 文書の読み込み/書き込みを行うというものです。必要があれば、パートナー製品、基調講演でもでてきた、Watson Workspace で Domino と連携できるマイクロアプリを作成できるsapho、その他、aveedoDARWINO で Web 化やモバイル化を推進して欲しいという内容がこのセッションで語られた大枠の筋です。
Path to refresh your apps

IBM は Domino のデータにアクセスできる新しい Domino REST サービス用 API を作成または拡張するとコミット

IBM がアプリのモダナイゼーションにコミットしたのは、REST でアクセスできる API を拡張することです。
現在4つのサービスが利用可能です。
  • Mail service
  • Calendar service
  • Freebusy service
  • Data service
Calendar と Data のサービスは Domino で出荷、他のサービスは OpenNTF から利用が可能です。これに加えて、
  • Directory service (ディレクトリーの表示、検索)
  • Contacts service (メールファイルのコンタクト情報)
  • Mail Search service (メールファイルの検索)
  • Subscription service
  • Management service (ユーザー登録、グループの管理)
を開発し、API を拡張していくと発表がありました。そして OpenAPI 仕様のすべての REST サービスで扱える YAML というデータ構造に対応していくとのことです。そしてマイクロソフト、Google、IBM も参画している Swagger のツールを使い Domino でのデータを REST 経由で扱えるよう対応していく方向性を示しています。
いうまでもなく、議論になっているモダナイズには、Notes クライアントで使うレガシーノーツアプリはまったく該当せず、モダナイズはWeb 化かモバイル化の選択しかありません。

 

モダナイゼーションにXPages はもう過去のもの?

残念ながら、将来に関して言えばそうなる可能性があります。IBM の中では、XPages への投資意欲はありません。「XPages is dead」という声も IBM 内外から聞こえてきます。ここ数年、欧米のユーザー企業のなかでさえ XPages で既存アプリの Web 化やモバイル化は、スキルセット、リソースの問題から思うような進捗がみられないとのことです。昨年からグローバルな開発コミュニティでは XPages への興味を失ってしまっており、以前のような活発な活動は見られません。
一方で、Domino のデータを扱う別の開発手法が台頭してきています。開発手法の種類がいくつか出てきてはいますが、 Domino のデータを REST を使って操作するのが今では開発コミュニティの中で主流になっています。ある IBMer の「Beyond Domino Designer」というセッションで行われた内容では、 Domino Designer は今主流の開発スタイルからギャップがあり、Domino Designer ではなく違う開発ツールセットで行う可能性を示しています。はっきりと、Domino Designer は忘れましょうと明言しています。
Dev1545 pdf 9  51ページ 2017 02 25 06 34 40

では、今 XPages に取り組んでいるならすぐに止めた方がいいのか?
いやそれも私は違うと思います。いま話をしているのは、何年か先に主流になるだろう開発手法の話です。そのかわり、今行おうとしている開発でも可能な限り REST や REST のモデルを採用するほうが後々にでも救われるケースが多いはずです。そのことを念頭に置いておいた方がよいと思われます。先端を行く開発コミュニティは間違いなく今年から、この新しい開発アプローチの方向に向かっていき、情報の発信も多くされるものと思われます。その過程では XPages の露出は極めて少なくなっていくことでしょう。
日本市場において、これから XPages を使って Web 化していこうとしているあるいは計画している企業が少なくありません。これは大変大きなギャップを生み出すことになりかねません。

 

この新しい開発アプローチにわれわれはついて行けるか?

確かにこの新しい開発アプローチは主流になるであろうし、開発も面白くなっていき、アプリの可能性も広がるかもしれません。Bluemix での開発を経験すればどういうスキルが求められるのかがわかります。この新しい開発アプローチについていけるかという疑問が湧いてきます。Ask the Technical Team」セッションでは、周りを見れば、Domino Designer での開発しかしてこなかった Notes 開発者がおそらく大多数で、ついてくるにはどうすれば良いのかといった質問も出てきました。明確な対応は出てきません。「私は長年ノーツ開発しかやってきませんでした」とか「Web の最新技術にはちょっと…」という方はどんどん脱落していくことでしょう。これはユーザー企業だけではなく、ユーザーのためにアプリケーション作成を受託してきたベンダー企業の多くにも降りかかる問題です。多くのベンダーもまた脱落しノーツ・ドミノビジネスから撤退する会社も出てくる危惧は払拭できません。
一方で見方をちょっと変えると、Notes/Domino を知らない Web 開発者なら彼らが馴染んでいる開発手法でモダナイゼーションできるという余地も広がってきます。Domino Designer でフォーム/ビュー、ちょっと進んで XPages を少々といった大多数の開発者がこういったアプローチについて行けるでしょうか?皆さんはどう思われますか?
この開発アプローチが一般的になるまでに数年、2021 年以降の Domino サポートがはっきりしない状況下では何もしないというユーザーも増えるでしょう。起死回生のつもりで出した今回のモダナイゼーション案も絵に描いた餅でしかなくなってしまう可能性が大きいのはないでしょうか。